100点を求め過ぎたが故に、辞めていった人達。

独立して美容室経営者になった

美容師が書く経営ブログ

『オヤマダにはホントは頼みたくないんだよなぁ~』

僕がまだアシスタントだった頃、

思った事をズバズバ口にする先輩から言われた言葉だ。

でも、

なんだかんだ言って結局は任せてくれる。

そして後で、

必ずと言っていい程呼び出しを食らう。

『オヤマダ～、ちょっと来～い』

『さっきのカラーさぁ』

…

…

『いや、だからそーじゃないって！』

『こうだって、こう！』

と、ダメだった所を教えてくれた。

口は悪いけど、根は熱い。

だからだと思う。

僕はこの先輩の事は嫌いでは無かった。

いや、

…

…

尊敬していた。

育てるために

今だからわかった事がある。

昔はわからなかったけれど。

当時の先輩が、

『オヤマダ には頼みたくない』

と言っていたくせに結局、僕に任せてくれていた理由。

【育てようとしてくれていたんだなぁ】

【陰でお客様へのフォローもしてくれていたんだ】

…

…

…

4月に入れば新入社員が入社してくる。

つい先月まで学生だった若者たちだ。

数か月前からシャンプー練習に来ていた甲斐あって、

シャンプーCheckに合格した。

…としても、

まだまだ経験が足りない。

僕なんか入社した当初はひどいもんだった。

今思えばよく任せてもらえていたと思う。

色々なお客様がいる中で

臨機応変な対応がなかなかできなかった。

安心してシャンプーを任せられるとしたら

間違いなく2年目、3年目の先輩。

先輩の方が技術的にも精神的にも

安心と考えるのが普通だ。

シャンプーを上手な人にやってもらいたい。

誰もが皆そう思う。

下手な人にやってもらいたいっ！

…ていう人を探す方が大変だろう。

スタイリストが

安心感のある2年目、3年目のアシスタントばかりに

仕事を頼む気持ちもわかる。

………

新人はまだまだ完璧じゃない。

だから、

やらせるわけにはいかない。

お客様に失礼があっちゃいけないからな。

うん、

それが当然だよね。

………

と、言う気持ちもわかる。

そんな中にも積極的に、

『任せて下さい！』

と言える人はいい。

でも…

そんな人ばかりじゃないよね。

そして

仕事を頼まれない日々が当たり前になると、

新人さんの成長スピードはガクッと落ちる。

『このまま美容師続けてていいんだろうか』

『俺って美容師むいてないのかな』

そうやって、

辞めていく人を、

何人も見てきました…

足りない分を補うのは先輩の役割

新人のシャンプーが60点だとしたら、

残り40点を

僕たちがサポートしてあげよう。

僕は幹部、スタッフ達を

信頼しているし

頼りにしている。

だからこそ

日々たくさんの事を伝えているが、

僕の想いの

6割

理解してもらう努力をしている。

これは

求めても仕方ない…

と、言っているわけではない。

僕が100点を求め続けたら

彼らは

疲弊していくだろう。

…

…

…

カラーの塗布。

会話のぎこちなさ。

自分のアシスタント時代を思い出せ。

そんなに優秀だったか？

いろんな人に迷惑をかけて、

育ててもらったんじゃないか？

出来る事はある。

入客してもらう際には、

先輩が一言フォローする事だ。

もちろん入客出来る人かどうかの見極めは当たり前。

そしてさらに入客前のフォローの言葉。

『新しく入社した〇〇さんです！』

『まだ経験は浅いけれど、とても一生懸命にシャンプーする子なので是非〇〇さんを担当させて頂けませんか？』

と担当スタイリストにお願いされて

NOというお客様は何％いるだろうか？

おそらくほとんどのお客様が

暖かい目で受け入れてくれるのではないだろうか。

100点満点になってから入客してもらうのが

理想なのは言うまでもない。

いや

いや

お金をもらっている以上、

本来は

100点満点になってから

入客させるべきなのかもしれない。

時間がかかっても

100点を目指して練習し続ける気持ち。

決して忘れないよう

教えていきたい。

…

…

…

・100点になるまで

入客させないというスタイル。

・チームワークやフォロー体制を整え

早期に経験させるスタイル。

どちらがいいかはサロンの方針によるだろう。

選択肢はいろいろあっていい。