【悲惨】2度と点く事のない、消えた電気。

愛される美容室経営

市川/東船橋アヤラ小山田絢一

美容専門学校を卒業して、雰囲気が自分好みだなと感じた美容室に就職して2年。

学生時代はたまに遅刻もしたし、授業を聞いていないときもあったなぁ。

お世辞にも優等生とはいえない私。

そんな私も働き出してからは変わったと思う。

遅刻は一切しなくなった。

シャンプーも毎回一生懸命。

努力の甲斐があって、シャンプー指名も月20人はもらえるようになったんだ！

切れるようになったら、お願いね！

っていってくれる常連さんもいる。

なんて心強いんだろう。

先月最後のウィックカットの試験に合格したよ！

さぁ、今月はモデルチェックだ。

大丈夫。

自信はある。

あんなに練習したんだから。

早くスタイリストになりたい。

そしてその月、私はみごとスタイリスト試験に合格したんだ。

そんな【私】の美容師人生。

スタイリスト

スタイリストになった当初、店は繁盛していた。

まだまだわからない事も多いわけで。

だから練習したんだ。

練習が楽しかった。

出来ない事が出来るようになる感覚は気持ちがいいよね。

ケミカルの勉強も積極的に行ったなぁ。

セミナーにも行ったよ。

原宿、表参道、そこで知り合いもできたりなんかして。

カットしたスタイルが上手くいかなかったときは、その日のうちに練習したっけ。

時代がよかったのかな。

カットがうまくいかなくてもお客様は来てくれていたんだ。

たくさんのお客様に入客するうち、しだいに指名客も増えて来てね。

常連さんもできた。

いつからか

『いつもと同じで』

というオーダーばかりになったんだ。

新しい技術を披露する場面が少なくなってきたのもこの頃からのような気がするよ。

常連のお客様方と共に年を重ねてきて10年が経つころからかな。

いつしか、全く練習しなくなったんだ。

10年前の技術

ふと、思った。

自分の技術は10年前のまま、止まってるんじゃないか？って。

10年といえばベテラン、と言われてもいいキャリアだよね。

いつもきてくれる常連さんのカットは完璧だよ。

スピーディで無駄がないという自負もあるし。

細かいワインディング（豆巻き）は得意なんだ。

でも、、、

新しいスタイルがさっぱりわからない。

あの前髪の切り方はどうやるの？

メッシュといえば細かくたくさんの入れるものじゃないの？

こんなに太めに巻いてパーマかかるの？

ユル巻きって？

グラデーションカラーわからないよ。

新しい薬剤はわからないから使わないよ。

むかーしから愛用しているコレでいいよね。

気づけば、薬剤知識も10年前の知識だなぁ。

セミナーなんて行く気もしない。

でも、やっていけてるから、、、

いいよね。

さらに10年

お客様と共に自分も年をとった。

なんだか、お客様減ったよなぁ。

まぁ、仕方ないか。

若いアシスタントが入ってもすぐ辞めちゃうのはなんでだろう。

そういえば、新規客は何年も担当してないな。

と、いうか、

お店に新規は全然来ないから担当できるわけないか。

今、なにが流行ってるんだろう？

でも流行りの髪型希望するお客様いないから、しらなくてもいいか。

まぁ、いいか。。。

まぁ、、いいよね。。。。

それから数年後、

電気の消えたそのお店の、

クローズの札がオープンになる事はありませんでした。

彼は今、バイトで生計をたてているそうです。。。

さぁ学ぼう

学びを忘れてしまった美容師さんが悲しい結末を迎えたストーリー。

フィクションですが、

この方と同じ経験をされるか、されないかは、

あなた次第です。

さぁ、

ガンバろっ。